北海道で雪に強い家を建てる!雪対策で失敗しないためのポイント
- 2025/12/08
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目次
こんにちは。札幌の工務店 クマホーム です。
北海道での家づくりは、「雪」との付き合い方が住み心地を左右します。
冬になると当たり前のように降り積もる雪ですが、
設計段階でしっかりと対策しておかないと、
屋根の雪庇(せっぴ)や落雪、凍結、外構の破損など、
後から思わぬトラブルにつながることがあります。
またこの記事は、すでにマイホームをお持ちの方にも
「これから建てる人に知っておいてほしい」と思っていただける内容です。
北海道で快適に暮らせる家をつくるために、ぜひ最後までお読みください。
北海道の家づくりに「雪対策」が欠かせない理由
豪雪地帯ならではの住宅リスク
北海道の家にとって、雪の存在は単なる「積もる白いもの」ではありません。
住宅にさまざまな負荷をかける、気象現象でもあります。
屋根にかかる重量
地域によっては、1平方メートルあたり200〜300kgもの荷重がかかることもあります。
屋根形状や構造が雪荷重に対応していないと、建物全体に負担がかかってしまいます。
雪庇(せっぴ)や落雪によるリスク
屋根から張り出す雪庇は、突然落ちて外壁やカーポートを破損したり、
通行時の危険を招いたりします。落雪で隣家を傷つけるケースもあり、
雪対策は安全面だけでなく近隣トラブルの予防にも重要です。
外構を傷める凍結・氷害
アプローチや駐車場の舗装が、凍上によって持ち上がったり、
ひび割れたりすることがあります。外構も住宅と同じく「雪国仕様」でつくる必要があります。
断熱不良による室内環境の悪化
寒冷地の冬はとにかく長い。断熱性能が不足すると、暖房費がかさむだけでなく、窓の結露、カビ発生など健康面のリスクも生じます。
雪対策を怠ると起きるトラブル
雪国では、雪対策の甘さがそのままトラブルに直結します。よくある例をまとめると、
・雨漏り(屋根の排水不良・氷ダムによる逆流)
・給湯器・水道管の凍結による故障
・カーポート・フェンスの破損
・落雪による車や植栽の損傷
・玄関前の凍結で転倒事故
こうしたトラブルは、建ててからの追加工事で修繕するより、
初めから設計で対策しておく方が圧倒的に効率的。
実際、クマホームに相談に来られる方の中にも「前の家で雪によるトラブルを経験して、
次こそは失敗したくない」という声が多いです。
雪に強い家にするためのポイント
屋根形状の工夫で雪庇・落雪対策
北海道の家の屋根形状は、雪対策の第一歩です。
無落雪屋根(フラットルーフ)
都市部で多く採用される屋根で、屋根に積もった雪をそのまま屋根上で溶かすタイプ。
メリット:落雪の心配が少ない、外観がすっきり
デメリット:排水計画をきちんとしないと「氷ダム」の原因に
切妻(きりづま)屋根・片流れ屋根
雪を落とす「落雪式」。
メリット:雪が自然に落ちるため、屋根上の重さを軽減
デメリット:落雪スペースが確保できない敷地では危険
屋根の向きや軒の出
太陽の当たり方や風向きで雪の溶け方は変わります。
設計段階から「雪庇ができにくい屋根形状」を計画することで、後々のトラブルを防げます。
断熱・窓性能で室内の快適性を守る
雪国において断熱と窓性能は「命」と言ってもよいほど重要な要素です。
高断熱の壁・天井
断熱材の厚みや種類だけでなく、気密施工がしっかりできているかがポイント。
気密が甘いと、暖房しても暖かい空気が逃げてしまい、光熱費が余計にかかります。
トリプルガラス・高性能サッシ
窓から逃げる熱は全体の約5〜6割とも言われます。
北海道では、最低でもLow-E複層ガラス、できればトリプルガラスを推奨します。
結露対策も重要
高性能な窓は結露を大幅に減らします。結露はカビやダニの原因となり、
家族の健康にも影響するため、窓性能向上は暮らしの質を上げる投資になります。
外構でできる雪対策
駐車場やアプローチの雪かきがラクになる設計
雪国での外構は「デザイン」より「機能性」が大切。
駐車場はできる限り広く・段差をつくらない
除雪機やスコップが使いやすくなるため、作業時間が大幅に短縮します。
アプローチは最短距離でまっすぐに
カーブが多いと雪かきが大変です。
排水計画と勾配をしっかり
水が溜まりやすい外構は、冬に氷のスケートリンク状態になります。
カーポート・融雪設備の活用
豪雪地域ではカーポートは「あると便利」ではなく「生活の質が変わる設備」です。
カーポートの利点
・車の雪下ろしが不要
・凍結によるワイパー破損を防ぐ
・夜間・早朝の出勤がスムーズに
積雪量に合わせて積雪200cm・300c対応 など、強度の高いタイプを選ぶことが必須です。
ロードヒーティング・融雪槽
ロードヒーティングはアプローチや駐車場の雪解けを助けますが、
電気代や灯油代がかかるため、どこに施工するかのバランスが大切です。
部分的に採用する「ピンポイント融雪」も人気があります。
庭やデッキを守るための工夫
冬の間の積雪でウッドデッキが傷んだり、庭木が雪の重みで折れることもあります。
・庭木は雪囲いを前提として配置
・デッキや物置の屋根は積雪荷重に対応した構造
・落雪が当たりにくい位置に配置
外構計画は、建物本体とセットで考えることが大切です。
雪国ならではの暮らしを快適にする設備
床暖房やパネルヒーターなど暖房設備
北海道の冬を快適に過ごすためには、暖房設備の選択がとても重要です。
床暖房
足元からじんわり暖まり、乾燥しにくいのが魅力。
LDKに採用すると体感温度が大きく変わります。
パネルヒーター
部屋全体を均一にあたためることができ、静かで安全。
子どもやペットがいる家庭でも安心です。
エアコン暖房(寒冷地仕様)
近年は寒冷地仕様エアコンの性能が大幅に向上。
省エネで経済的な暖房として人気が広がっています。
家族の暮らし方、間取り、予算によって最適な暖房システムは変わるため、
家づくりの初期段階から検討することがポイントです。
玄関や風除室の活用で冷気を遮断
冬の玄関は外気が直接入り込みやすく、
「開けた瞬間に冷気が流れ込む」という悩みをよく聞きます。
風除室(玄関ポーチの前室)を設けることで、
・冷気が家の中に入りにくい
・吹雪の日でも雪が舞い込みづらい
・屋外収納としても活用できる
といったメリットがあります。
最近では、玄関横に「シューズクローク+風除室」を組み合わせたプランも人気です。
まとめ
北海道で快適に暮らすためには、 雪対策を中心に家づくりを考えることが必須です。
雪は避けられない自然現象ですが、
屋根形状
断熱・窓性能
外構計画
暖房設備
などをしっかり計画すれば、冬でも安心して暮らせる家になります。
「雪対策をしっかりした家を建てたい」
「今の家の雪問題を改善したい」という方は、お気軽にご相談ください。
北海道の冬をもっと快適に。
家づくりでできる雪対策を、私たちと一緒に考えてみませんか?








